二十四節気の大暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
荒川水系の取水制限が20%に引き上げられました
2017年7月23日(日)
朝から雲が低く垂れ込め10時頃から雨がパラついたが、その後はむし暑い曇天の大暑だった。
19日に関東甲信を含む四国以東の広い地域に梅雨明け宣言が出された。各地で大雨の被害が報じられている一方関東では雨不足で
、荒川水系の取水制限が21日からは20%に引き上げられた。
自生地では観察路の両側にユウガギクの花が見られるようになり、オニユリがアチコチで鮮やかな朱色の群落を作っている。
オニユリは今が盛りで暗紫色の斑点のある花弁を反り返らせた花を下向きにつけている。
よく似たコオニユリは花が一回り小さく、ムカゴ(珠芽)を付けない。オニユリは種子を作らず葉の付け根に付くムカゴで増える。
一説にオニユリは中国からの帰化種と言われている(ウィキペディア)とあり、オニユリの本来の自生は日本では対馬だけで、他
のものは逸出帰化したものだというのが定説になっている(植物図鑑撮れたてドットコム)ともあった。
ヒルガオも全域で見られる。涼し気なピンクの花は今日の天候くらいの時は好ましく見えるが、真夏の炎天下で数多く花開いてい
る様は親しみより憎しみの方が感じられてしまうのは妙だ。
結実するのはまれで地下茎で増えるというが、涼しげな花の色に似あわず繁殖力が強い。花が小さいコヒルガオは花柄に縮れた
ヒレがあるのと葉の基部が横に張り出す違いがある。
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ユウガギクを従えた王女様のようなヒルガオ |
ノカンゾウの赤色の強いものをベニカンゾウと呼ぶ |
所々に咲いているベニカンゾウはAPG分類ではススキノ科のノカンゾウの特に紅色の濃い花だ。オトギリソウやアゼオトギリそして
終わりに近いトモエソウなどと同じ一日花だ。
今年はバアソブの花の最盛期を見逃してしまったようだ。7日の小暑の時は色々探したつもりだったが、見つからなかった。今回
こそはと思って行ったがあまり見られなかった。裏年だったのだろうか。
キキョウ科ツルニンジン属のバアソブは環境省レッドリスト絶滅危惧U類(VU)だ。
今朝は6時過ぎに自生地に行ったので、久し振りにコカモメヅルの花を見られた。
コカモメヅルは埼玉カテゴリーで準絶滅危惧(NT)だが、2005年までの調査で15件、今回は4件の報告がある。とあり、生育環境の湿地
が減少傾向にあるとの評価所見だ。
少し花の大きいコバノカモメヅルは荒川河川敷に見られるが、袋果が単生する事が多く、双生するコカモメヅルとの見分けのポイ
ントだ。APG分類ではガガイモ科はキョウチクトウ科に移行した。
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オトギリソウ |
アゼオトギリ |
オトギリソウ(弟切草)の名は弟を切り殺した平安時代の伝説に基づく。アゼオトギリは環境省レッドリストの絶滅危惧TB類(EN)だ。
今年はミズタマソウを見なかったが、見落としたのだろうか
大暑(たいしょ):今年は19日に関東甲信を含む四国以東の広い地域に梅雨明け宣言が出されたが、関東は空梅雨だった。でも宣言
の後は不順な天候が続き、局地的な豪雨が連日のようにあって戻り梅雨の様相だ。 2017年8月4日作成