二十四節気の立秋に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
今年の立秋もコバギボウシが主役です
2017年8月7日(月)
前日から迷走台風5号が南九州に接近し九州、四国地方は大荒れで水の被害が多く報じられている。
しかしながら5時半ごろ家を出た時には久し振りに青空が広がり、好天の田島ケ原サクラソウ自生地を観察できた。でも、次第に
雲が多くなり夕方には猛烈なスコールになった。
コバギボウシ(小葉擬宝珠)はE区
に密集して花を咲かせていたが、下向きに付く花の殆どが後ろ向きで写すのに苦労した。
コバギボシは従来のクロンキスト体系ではユリ科だったが遺伝子解析によるAPG分類ではキジカクシ科ギボウシ
属に含める。
観察路の両側にはユウガギクの白い花が見られ、シロバナサクラタデの花も多く見られるようになった。
シロバナサクラタデは
サクラタデより花が小さく花弁状の萼は白色で全開しないが、長く見られる。埼玉カテゴリーでは準絶滅危惧(NT)。
今回今まで名を知らなかった昆虫に出会った。
スケバハゴロモ(透翅羽衣)はネットと手持ちの資料でどうにか同定できたが一番簡単と思った腹部の白い帯が特徴的なクロバネ
ツリアブ(黒翅吊虻)が分からなかった。それとツユムシの幼虫は完全にお手上げだった。
スケバハゴロモはカメムシ目ヨコバイ亜目ハゴロモ科の全長約10oの昆虫。ハゴロモ科は美しい大きな翅を有する種が多い半翅
類の一群の昆虫の事。
幼虫は翅のないセミのような体で、第7・8節の小突起から白くて長いロウ物質の毛束を出して移動に利用する。
ネットで調べているうちに
日本昆虫協会のBBS昆虫質問箱を見つけ最後の
頼みの綱として問い合わせてみた。
そうしたらすぐに2件とも回答が来て、注釈もあって本当に有難かった。
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ハエ目ツリアブ科のクロバネツリアブ |
バッタ目キリギリス科のツユムシの幼虫 |
クロバネツリアブは読んで字の如く黒い翅のハエ目ツリアブ科の昆虫だった。姿形から蛾の一種と思い、まさかアブの一種とは思
わなかったのが失敗だった。
ツリアブ科はホバリングしながら空中に静止している様子が吊り下げられているように見えるからという。
ユウガギクの花に来ていた5ミリくらいの小さい虫はツユムシの幼虫だった。ネットで見ると2齢のようだった。
BBS昆虫質問箱に送った写真が小さかったのでもしかしたらウマオイの幼虫かもとの回答も付記されていた。
ツユムシ(露虫)は学名Phaneroptera falcataで、バッタ目キリギリス科の昆虫。体長29-38ミリ前後。全身鮮やかな緑という。
前回見られなかった
ミズタマソウ
が咲いていた。花が小さく精巧で、果実に毛があり親しみがもてる。でも赤い節から長い葉柄で対生する葉は大きい。浅い鋸歯があり、葉脈もはっきりし
ていていて面白い。
立秋(りっしゅう):今年の立秋は特にとても秋立つとはとても思えない。迷走台風5号の影響で各地で水害が報じられ、最高気温が
上昇してスコールと酷暑の日本列島だ。暦の上ではとの言葉は通用しないくらいの夏本番だ。 2017年8月14日作成