二十四節気の小雪に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

ものみな静かな小雪のサクラソウ自生地

2017年11月22日(水)

2017年11月22日の小雪は朝の冷え込みが今年一番との報道だった。10時頃には青空が広がり、陽ざしが明るかったが空気は冷たく今年初 めて手袋をして自転車を走らせた。
昭和水門
自生地はオギの白い穂がより多く見られるようになり、枯れ色が一層多くなった。オギは茎葉を落とし、観察路の両側は節のある細い稈 だけの世界で、無機質の世界だった。
自生地
中央観察路を入ると両側のユウガギクは花がほとんど見られず、殺風景な足もとが続いた。葉を落とし痩せた稈だけが立ち並ぶ柵内では 枯れオギに巻き付いたツルマメの黒い殻が所狭しと見られた。
ゆうがぎく痩果
柚香菊痩果
キク科は最も進化し、最も分化している植物と言われる。萼に相当する冠毛が発達して毛状の付属物になる。
ユウガギクの痩果は約2.5ミリの扁平な倒卵形で多数が縦に並び冠毛は0.25ミリと短い。
上記のような半球形の痩果の集まりを何というのかあれこれ調べたが、正式の名称は無いようだ。小花の集まりは頭花なので痩果の集ま りも頭果で間違いではなさそうだ。
オトギリソウ
オトギリソウ オトギリソウ
左は今回見つけたオトギリソウの刮ハ。萼は綺麗な緑色で実も鮮やかな赤だ。今の季節他の刮ハは黒褐色の萼に包まれ上部が3裂している。 上の左の写真は2015年7月13日、右は同じ年の11月13日に撮影したもの。ヒベリカム(小坊主オトギリ)は赤い実を付けてキレイというが、それではなさそう。 コケオトギリの痩果は腺体が無いので、交雑種かもしれない。
シオデ ヘクソカズラ
ホシブドウのようなシオデの液果 しもやけに効くというヘクソカズラの核果
シオデは液果の水分がすっかり抜けてしまっていた。ユリ科だったシオデはAPG分類ではサルトリイバラ科またはシオデ科に移され、同 じユリ科のコバギボウシはキジカクシ科に変わった。
この時期、ヒッツキムシの一つのキンミズヒキは萼筒の縁に鉤状の刺を多数つけ痩果を包んでいる。マユミは種子を赤い仮種皮に包んで いる。雌雄異株で雄花では花糸が長く雌花では短いという。
キンミズヒキ マユミ
キンミズヒキ マユミ

小雪(しょうせつ):太陽黄経240度。立冬から数えて15日目頃及び大雪までの期間。北国から雪の便りが届く頃。東京の最低気温は22日が 3℃と11月中で一番低かったようだ。  2017年12月2日作成