二十四節気の夏至に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
ノカンゾウやトモエソウの一日花が主役です
2018年6月21日(木)
夏至の日はこのところ2年続きの雨だったが、今年は前日の雨が止んで曇り空だった。でも湿度が高く自生地を歩くだけで汗びっしょりに
なってしまった。
昼間が一番長い夏至の、さいたま市の日の出は4時25分、日の入りは19時01分で昼間の時間は14時間36分だった。
上はドクダミ科の多年草のハンゲショウ。太い地下茎で繁殖する。夏至から11日目の半夏生の頃に花を付け葉を白くするのが名の由来とも
葉を半分白くするので半化粧とも言われる。生育地の湿地が減少していることから減少傾向にあるようだ。埼玉カテゴリーで絶滅危惧U類(VU)
左はススキノ科の多年草のノカンゾウ(野萱草)。別名金針菜は生薬名で蕾を熱湯で湯がいて日干しにして乾燥させたもの。属名のHemerocallisは一日の美しさ
の意で一日花を表している。
自生地では
ノカンゾウや
トモエソウ、
ハンゲショウも葉を白くし始め、ノカラマツは前回同様全域で花を
咲かせていたが、終わりかけも多く元々あまりきれいでない花が見栄えが良くなかった。
葉と花がフジに似る
クサフジの薄紫の花序や
ヒルガオも見られた。でも、オトギリソウ、ヤブカンゾウの花は無かった。
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外来種のナヨクサフジの勢力拡大に負けるなクサフジ |
オカトラノオ属は相変わらず交雑種が圧倒的に多い |
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トモエソウの柱頭は5裂する |
ヒルガオの葉はコヒルガオより基部が広がらない |
4月12日に自生地を訪れた埼玉大学環境共生学科の生徒さん25名が藤野准教授に引率されて再訪。サクラソウの時期とは一変した風景に皆
驚いていた。
ヨシやオギに覆われた観察路を歩きながら両者の区別の分かり易いのは葉の中央に白い線が有る無しと説明したが、覚えるのはナカナカ
難しかった。
ヨシは昔はアシと言われていたのが悪しに通じるのでヨシ(良し)と言い換えた事も話をしたので、後で「白い線が無いのはヨシアシだ」と
覚えてもらえばよかったと気づいたが、まさにバカの後知恵だった。
左はキキョウ科ツルニンジン属の多年草、バアソブ。現在は多くの蕾を付けている。
関東甲信の梅雨明け宣言は6月29日で昨年より7日早く、平年より22日早い梅雨明けだった。
6月の梅雨明けは観測史上初めてで、向う1週間は晴れる日が多くなる見込みという。
6月6日頃に梅雨入りしたので梅雨の期間は23日間だ。これからも晴れの日が続くというと自生地の乾燥化が本当に心配だ。
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キョウチクトウ科のコカモメヅル |
バラ科の多年草のダイコンソウ |
夏至(げし):北海道を除く本州は夏至の前後およそ20日づつが梅雨の期間という。前期はしとしと型の長雨が続く。夏至以降の後期は集中
豪雨型の大雨が断続し、夏至の頃は中休みをする事が多いという。今年は29日に梅雨明け宣言がされ空梅雨かなとも思わせたが7月6日現在各地で大雨の被害が
報じられている。 2018年7月6日作成