二十四節気の立秋に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

今年の立秋は文字通りの秋の訪れを実感しました

2018年8月7日(火)

2018年8月7日の立秋は文字通り秋の訪れを実感できた。
最高気温が10日振りで30℃を下回り、関東と東北は北風が吹いて涼しくなった。でも関西から西は相変わらずの猛暑のようだ。
シロバナサクラタデ
コバギボウシ
自生地の中央辺りにシロバナサクラ タデが多く見られる。茎はよく分枝し、穂状の花序は長く、先は下垂する。白い花被は5深裂する萼片だ。果実も包み込むので蕾のように見えていつまでも 花穂のように見える。シロバナサクラタデは雌雄異株だが自生地はほとんど雄しべの長い雄株だ。
キジカクシ科のコバギボウシはまだ名の由来の蕾が多かった。

ミズタマソウ
今年はアカバナ科のミズタマソウが多く 見られた。
アゼオトギリ
上はアゼオトギリの花たち。花柄は長く、茎が横に這いミズタマソウに隠れるように咲いていた。
右はミズタマソウ。円内は2数性の花のアップ。 横に広がった緑色の萼、縦に4枚のように見える2裂した花弁、左右に広がる雄しべなど全て2数。真ん中の雌しべだけは一本だ。
アゼオトギリと形態・生育環境ともによく 似たものにサワオトギリ(H.pseudopetiolatum)があり、用水路脇などに普通に見られる。萼片や花弁に黒点は無く、花弁の長さ3.8〜6oと小さい。(兵庫県の湿生植物)

ノカンゾウやオニユリの花が見られなくなり、大きな花は ヒルガオくらいだ。この花の色は薄いピンクで上品な美しさだ。でも印象は良くない。その逞しすぎる生命力のせいだろう。
この日はたまたま蕾が並んでついているの見つけた。右の2つは蕾とは思ったが、正直なところ若い実かも知れないとの思いもあった。
花インデックスにヒルガオを載せてあるかどうかも曖昧だったが、見たら「大きな苞葉が5枚の萼を覆っているのがヒルガオ属の特徴で、 蕾も果実も2枚貝のような苞に包まれている」とあり、属名もそこから来ているのを改めて知った。
シソ科のニガクサは花のない時には何だか分 からなかった苦い思い出がある。花があまりに特徴的で葉の特徴などは頭に無かった失敗だ。
ヒルガオの蕾 ニガクサ
右の2つはこれから苞葉の外に伸び出す若い蕾 少し終わりかけのニガクサ
オニユリ サイカチ ナガコガネグモ
オニユリの珠芽 サイカチの豆果 ナガコガネグモ
オニユリは花が全くなくなった。でも葉腋にいっぱいの珠芽を付けている。珠芽にはオニユリのように葉が肉質になって形成される鱗芽 とヤマノイモ科のように茎が肥大して形成される肉芽とがある。一般的に食用になるのはヤマノイモ科の珠芽というがオニユリの珠芽も食べられる。
サイカチは今年は実が無いと思ったが、下の方に一つだけついていた。

ハラビロカマキリはクヌギに居たが、写真を撮ろうとしたら足早に逃げられてしまった。
ハラビロカマキリ 体長50〜70o。胸部と腹部の幅が広い事により名付けられた。成虫の特徴は腹部が幅広い事、前翅中央に 一対の白い斑がある事。腹部の先を背中につきそうなほど曲げるのは威嚇のポーズ。(福光村昆虫記)
ハラビロカマキリの幼虫 ヘクソカズラ
ハラビロカマキリの威嚇のポーズ ヘクソカズラ
ヘクソカズラはいたる所の垣根や木に絡 みついているが、スズメガ科のホシホウジャクの食草だ。これこそ蓼食う虫も好き好きだ。

立秋(りっしゅう):今年の立秋は文字通り秋の訪れのようで、いつものこんなに暑い盛夏なのにとの思いは無かった。でもそれも2〜3日で また また猛暑が続いている。にわか雨は完全にスコール化し、台風が次から次へと発生している。2018年8月14日作成