二十四節気の穀雨に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

授業でサクラソウの移植をされた夫婦来場

2019年4月20日(土)

さくら草まつり'19は4月13(土)、14(日)日に行なわれた。
サクラソウ自生地にとっては最高の日時設定だったが、月初めと中ごろに低温の日が続き、鉢植えのサクラソウは花を咲かせるのが大変 だったようだ。来年はまた第3週に戻ってしまわないか本当に心配だ。
サクラソウ展示
13日の午後も4時過ぎに行ったせいもあるが、市役所会場のさくら草展示会場は閑散としていた。本木さんや小出さんがいらして話を聞 けたが花が間に合わなくて出展を見送った方もいたようだった。
今年は是非宇宙サクラソウヲ見て、花径が複数立っているサクラソウを確認したかったが、今年は展示が間に合わなかったようで残念 だった。
14日の桜草公園会場のさくら草まつりの模様は 「フグさんの雑記帳」

「さくら草まつり'19はサクラソウが隠されずに見られました」
をご覧下さい。

2019年4月20日の穀雨は前年の26℃ほどには上がらなかったがスッキリと晴れた春日和になった。
4月に入って気温が低い日が多かったので植物の生育が遅く、管理方式の変更と相まってサクラソウが他の草に隠されることが少ない。 さくら草まつりの市長の挨拶にも「今までのさくら草まつりで一番よくサクラソウが観賞できた」とあったが、20日になってこんなにサクラソウが見られるの は本当に初めてだ。
白花サクラソウ
サクラソウ自生地
今の時期に石碑の台座まで見えるのは非常に珍しい。
白花サクラソウは2株が花を付けているが、去年見られたB区の株は今年は花をつけていないようだ。

お昼近くに1組の夫婦がテントを訪れた。
遠慮がちに「皆さんがサクラソウの管理をなさっているのですか」と問いかけられた。「毎年サクラソウが痩せていくような気がしてな りません。」やはり氾濫が無くなった影響でしょうか」との話から始まった。
ご自分たちが昭和14年生まれで土合中学校の同窓生である事。1年生の農業の時間に先生に引率されリヤカーを引いてゴルフ場予定地から サクラソウを移植した事。土を多く掘り取ったので重かったこと。などを淡々と話された。
以前にも婦人会や青年団が移植の手伝いをしたことは聞いていたのでゴルフ場造成の前年の話と思いながら聞いた。
補完地のサクラソウ
それにしても話の節々にサクラソウに対する真摯な思いが感じられた。
こうゆう方たちに支えられて来年の天然記念物指定100周年もあるのだと思わされたが、この話が昭和27年のことで、ゴルフ場造成より 9年も前の話とはまるで気付かなかった。
家に戻って年譜を改めて見直して昭和27年というと特別天然記念物にも指定された年だが、第2自生地の天然記念物指定取り消しの動き が頂点に達した年と気が付いた。
お名前も電話も何もお聞きしていなかった。後悔先に立たずの典型だが、それから色々調べて同窓会でお話を聞ける段取りは付けた。 その結果については後日また記したい。
遅霜の被害はまったく感じられない補完地のサクラソウ群落
前年はチョウジソウが花の盛りだったが、今年はまだ蕾のままだ。ヒキノカサやアマドコロ、カントウタンポポの花が多く見られる。
ヒキノカサ サクラソウとタンポポ
田島ケ原サクラソウ自生地を守る会の現地活動は明日4月21日(日)で終了だ。今年の状況なら連休まで延ばしてもよさそうだが、テント の都合などでそうもいかない。
これからチョウジソウ、レンリソウ、エキサイゼリなどの希少種、ハナウドなども花をつけるので初夏のサクラソウ自生地も是非訪れて 頂きたい。

穀雨(こくう):補完地のサクラソウはすっかり遅霜の被害を取り戻した。全体に花は小さめだが第一自生地は良くサクラソウが観察できた。 でも、サクラソウ自生地と言うにはまだまだだ。早く今日のご夫婦の期待に応えられるようになりたい。 2019年5月9日作成