二十四節気の芒種に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
オカトラノオ属の白い花穂が揺れています
2019年6月6日(木)
2019年6月6日の芒種は最高気温が前日より5℃高い32℃の真夏日になるとの予報だったが、まさに的中し自生地で歩いているだけで汗ば
んできた。
芒種(ぼうしゅ)は二十四節気のうちで一番分かり難い節気で、芒という字にも馴染みがないが、ノギまたはススキとも読む。ノギはイネ科
の植物の穎の先端にある棘状の突起。
ススキに はあって、
オギには無い。また栽培イネでもノギはほとんど見られないというが、
芒種とは芒のある植物の種子を撒く、すなわち田植えの時期を意味するが、現代では1か月のずれがある。
自生地ではヨシやオギそしてノカラマツが伸び出し石碑はやっと頭が見えるだけになった。観察路に入るとまずノビルの花と珠芽が目に
つき、ノカラマツはまだ蕾だけで花は見られない。
オカトラノオ属の白い花穂はB区に多く見られる。この属は雑種を作り易く殆どがイヌヌマトラノオと思うが今日の主役だ。
上の2枚はノジトラノオに近い形をしているが、純正種はもっと豪華な気がする。
上は裂片の幅が広いヌマトラノオ型、下は細いノジトラノオ型がある。
左上のノジヌマトラノオは文字通りノジトラノオとヌマトラノオの交雑種というが、これはイヌヌマトラノオと違って学名が無くあくま
で仮称のようだ。
新エングラー体系や1980年代にクロンキストが提唱した被子植物の分類体系は、1990年代からミクロなゲノム解析により実証的に分類
体系を構築するAPG分類に取って代わられている。
遺伝子による解析がされればこのオカトラノオ属の雑種の問題はスッキリしそうだが、どうなのだろう。
クララ、クサノウも一部で花を咲かせ、ハナムグラ、ナワシロイチゴは残り花が見られた。
このところ自生地では鳥の鳴き声が少なくなった。今日も静かでオオヨシキリがうるさかったのを懐かしく思い出していたら、いっとき
小さな鳴き声が聞こえたが、間もなく聞こえなくなった。小鳥が棲み難くなったとしたら問題だ。
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花と珠芽を同時に付けているノビルが多い |
名前も奇抜なら花も独特なマメ科のクララ |
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一時は多く見られたナワシロイチゴ |
ハナムグラもここだけで花が残っていた |
中国からの埼玉大学修士課程の女子留学生が2人田島ケ原サクラソウ自生地を守る会に所属する事になった。2020年9月までの留学なので
来年の現地活動期や、観察会など守る会の活動に参加予定。
ハルピン出身のランさんと西安出身のトウさんです。宜しくお願いします。
第2自生地で見られたサクラソウの刮ハ。この2つは陽を受けて輝いていました
芒種(ぼうしゅ):例年なら梅雨入りか間近でハッキリしない天候が多いが、今年は最高気温が32℃の真夏日だった。でも、翌7日には関東
・甲信を含む多くに梅雨入りした模様との気象庁の発表があった。例年より1日早く前年より1日遅かったようだ。 2019年6月13日作成