二十四節気の処暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

ツルフジバカマの赤紫の花が鮮やかです

2019年8月23日(金)

2019年(令和元年)8月23日の処暑はこのところの猛暑が朝夕少し過ごしやすくなった。この日は朝から雨模様で降ったりやんだりの繰り 返しだった。14時半頃まだパラパラ来ていたが自生地に向かった。
自生地には調査の旗がより多くなり目立つようになった。
ツルフジバカマ
ツルフジバカマ
観察路はオギがかぶさっている所が多く葉から落ちる水滴と、時折落ちてくる雨粒からもカメラを守るのが大変だった。
ツル植物の勢いがいい。大はカラスウリから小はコカモメヅルまで多種多様の蔓植物が元気だ。
主役はツルフジバカマ。6月頃から 幾分小さな青紫色の花をつけるクサフジは小葉が18〜24個と多く て薄い。
ツルフジバカマ(蔓藤袴):花期は遅く蔓は稜があり四角柱状。葉がやや厚く小葉が10〜16個、托葉は大きく裂ける。翼弁と旗弁はほぼ 同長。葉の先端が伸びて分岐して蒔きひげとなり他物に絡みつく。

関東以北はすべて3倍体で実を付けない(ウィキペディア)というヤブガラシノブドウそして ヘクソカヅラが元気。センニンソウも白い花と特に蕾が多く 見られる。
ノブドウ ヤブガラシ
花弁、雄しべは5個。ノブドウミタマバエの虫えいが多い 4個の花弁と雄しべが落ちて花盤はピンクになるヤブガラシ
コカモメヅル
コバギボウシやヒルガオそしてキクイモの大きい花は雨に打たれてしょんぼり。オトギリソウやアゼオトギリは午後で全て閉じていた。
ヘクソカヅラ
ヘクソカヅラが増え、センニンソウの大きな白い花が迎えてくれた。第一に現れたイチモンジセセリはこの他にには見られなかった。

何時ものバス停の所を見ると枯れかけたアカツメクサにキタテハやモンキチョウそしてバッタまで来ていた。時折落ちてくる雨粒の合間の虫たちのお食事 タイムなのかもしれない。自生地の手前の雨の後にいつも見られる水たまりは本当にもったいない。
自生地手前の水溜り
正門から自生地までの広範囲に降った雨は自生地の手前まで流れ、水たまりになってストップ。自生地は潤さない

キクイモ
キクイモの花が黄色い花弁を大きく開いている姿は何処にもなかった。雨に打たれて全てが細く縮んでいた。降る雨が大粒で強く南国 のスコールみたいになっている証左だ。
コバギボウシは普通でも殆どが下向きなのに雨滴を含んで精彩が無かった。決してキジカクシ科に移動したことを悲しんでの所作では あるまい。
コバギボウシ

処暑(しょしょ):処暑の処は落ち着くという意味があり、暑さが落ち着くという意味というが、ネットなどで処の付く2字熟語を探してみ てもあまり落ち着くという意味のものは無さそうだ。処分だとか日常語に多い気がする。 2019年9月3日作成