二十四節気の立冬に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
復旧にはまだまだ時間がかかるようです
2019年11月8日(金)
2019年の立冬は穏やかに晴れて暖かく、ジャンバーも必要なかったが16時を回った頃には急に
肌寒さを感じた。
秋ヶ瀬公園、桜草公園、荒川彩湖公園は相変わらず車両通行止めで工事のダンプだけが出入り
している。但し復旧のためではなく、築堤用の泥の運搬で、復旧の見通しはゼロだ。
サクラソウ自生地はオギやヨシの穂が風に揺れていたが倒伏地が多くなり、俯瞰すると暗くよ
どんだ所が広がっている。
自生地では全てが冠水した中でユウガギクだけがチラホラ白い花を咲かせている。
一面湖と化していた時にはさくらそう水門を隔てるものが無く、近く感じたが南観察路から見る水門
はオギ、ヨシに隠されかなり距離を感じた。
観察路の両側にはヨシが大きく伸び出していた。真ん中はほとんどが倒伏していて見られず、観察路
際にヨシと一緒に残っているのが多い。
ほとんど生き物の息吹を感じられない自生地でハラビロカマキリと出会ってホッとし、嬉しかった。
後で友人からハラビロカマキリは産卵のために木に登る習性があるので、それで洪水を生き延びたので
ないかとの話を聞き余計懐かしく嬉しかった。
キンミズヒキは春早くから芽生えて秋遅くにはヒッツキムシをたくさん付けて葉を紅葉させる。黄色い
小さな花を咲かせる時期も長い。派手ではないがバラ科の花だけに精巧で美しい。一時鴨川側では我が世の春ならぬ秋を謳歌
する時期があるが、今年は水をかぶってしまいそれがならなかった。でも所々で花を付けて存在感を示していた。
|
|
ふと見上げたハンノキが雄花序を付けていた |
種髪を付けたセンニンソウも一部でしか見られない |
一回りして駐車場側に戻ると、傾き始めた陽を受けて花かと見紛う鮮やかな黄色が輝いていた。
何だろうと不思議に思ったが、あの場所にあるのは確かケヤキと思ったのは大きな勘違い。エノキだった。
エノキはAPG分類ではアサ科、ムクノキと共にニレ科から移された。
樹皮は灰黒色でほぼ平滑、小さな皮目がある。葉は互生し、上部にのみ鋸歯がある。オオムラサキ、ゴマダラチョウ、
テングチョウなど数多くの虫の食草
皮目:気孔の代わりに植物体内外の通気を行う組織。コルク層の発達した部分に多い。
ケヤキは駐車場の一番奥の植込みだった。写真は12月7日撮影で上のエノキより1ヶ月遅い。もう紅葉の終りに近いが、
11月7日時点でもエノキのようには目立たなかった。
樹皮は灰白色。滑らかで小さなまるい皮目が多く、老木では鱗片状にはがれる。
ケヤキはニレ科の落葉高木で高さ20〜25mの大木になり、各地に有名な大木がある。葉の鋸歯は曲線的に
葉先に向かう特徴的な形であり、鋸歯の先端は尖る。雌雄同株で雌雄異花。花は4〜5月頃、葉が出る前に開花する。秋の紅葉
が美しい樹木でもある。個体によって色が異なり、赤や黄色に黄葉する。(ウィキペディア)
漸く地面が現れた中央観察路は水を抜いた水田のようで粘土質の泥が乾いてひび割れしていた。
この時期多く見られるユウガキクの痩果はほとんど見られないのは寂しい。
多年草なので心配はないとは思っても来年果たして多くの花を咲かせてくれるかチョッと心配。
立冬(りっとう): 定気法では太陽黄経が225度の時で11月7日か8日。昼夜の長さが同じ秋分と昼が一番
短い冬至との中間でもある。今年は非常に暖かくとても冬の始まりとは思えなかった。2019年11月27日作成・12月15日改訂