二十四節気の小満に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

今観察路に一番多いのはイチゴツナギ

2020年5月20日(水)

2020年の小満は2016年以来久し振りに21日ではなく20日だ、閏年の関係だろうか。
前日来の雨が朝まで残り、終日灰色の空模様の気温の低い一日だった。
イチゴツナギ
今観察路にはみ出して繁茂しているのはイチゴツナギだ。イチゴツナギ属は分類の難しい属の一つで 世界に数百種あるといわれ、日本には約20種が自生する。
ハナムグラ
ミゾイチゴツナギの葉身と葉鞘の境にある葉舌は長さ1〜2ミリと短い。イチゴツナギの葉舌は白い膜質で長さ6〜8 ミリあってよく目立つ。別名のザラツキイチゴツナギは花序のすぐ下の茎に逆向きの刺があって非常にざらつく事による。茎は細くて硬く 密に叢生する(野に咲く花)。
花はハナムグラが咲き始めて、ハナウドや土手のクララが花をつけているくらいだ。
クララの蕾
ハナウド
ハナウドは花を付けた大きな花序が4つ、もう果実ばかりになっているのが3個あった。写真の花序は一番手前をアッ プしたがたくさんの虫が来ていたのはビックリだった。
右は自生地内のクララ。やっと蕾を付けただけだ。昭和水門近くのA区に下ってくる堤防の途中のクララはもう花が すがれかけている。場所によってこうも生長が違う。
もう花がすがれかけているクララの花序
サクラソウ
サクラソウも頑張って多くの刮ハをつけている。健全な種子ができる事を祈るばかりだ。
ノウルシ
あれだけ隆盛を誇ったノウルシは刮ハを実らせ早や枯れ始めている。
ノカラマツ
これからの自生地の主役になるノカラマツが本当に奇妙な蕾を付けている。全く面白くないが本人は真剣なのだろう。

100周年記念誌「さらなる100年に向かって」は今年の開花期の活動が中止になって100周年の生の声が載せられなくなって 残念だが、14〜5年間の記録をセレクト・要約中。

小満(しょうまん):草木が勢いよく成長し、天地に陽気が満ち始める頃というが、今年は新型コロナが満ちあふれて爽やかな 麦秋(旧暦4月)とはいかないようだ。 2020年8月22日作成