二十四節気の寒露に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
自生地はさながらアキノノゲシの花園でした
2020年10月8日(木)
台風14号の影響で10月8日の寒露は終日冷たい雨が降り続いた。自生地には前日に行ってきた。
B区とD区の公園に近いいつもの倒伏地はさながらアキノノゲシの一大花園になっている。スズメウリやヤブマメ、ゲンノショウコも多い。
これらは台風19号の冠水の置き土産のようだ。
いつもは主役のツルフジバカマが完全に脇役だ。
さくらそう水門の前に見える赤い旗は調査用の目印
単にノゲシというとハルノノゲシの事で葉がケシの葉に似ているのが名の由来という。ハルノノゲシはアキノノゲシに対してつけられた
別名ともいう。
アキノノゲシは日当たりの良い草地などに生える1〜2年草。大きいものは2mにもなるという。葉は互生し下部の葉は大きく逆向きの羽状に
裂け、上部の葉は小さい。花は朝遅く開き、夕方には閉じる。
アキノノゲシ属は1m近く伸びる大型のものが多いのが特徴で、痩果は扁平で先が細くくちばし状になる。頭花は約2pで普通淡黄色だが、
黄色や白色もある。小花は全て舌状花。総苞は長さ約1pで総苞片が重なり合い縁は赤い。レタスやサラダナもこの仲間。
中央観察路を入って間もなく初めての面白い植物に出会った。編み笠のような総苞が特徴的だった。でも調べると普通に見られる雑草のエノキグサだった。
畑や道端に生えるトウダイグサ科の一年草という。アメリカセンダングサも見られ、洪水で流されてきたようだ。
レモンエゴマが花をつけ始めた。レモンエゴマのエは油をとるので得、味が良いので良の説があるようだ。ゴマは種子が胡麻に似る事からと
いう。レモンは勿論香りからだ。
シロバナサクラタデは相変わらずだ。サクラタデも見られるようになり、全域でカナムグラの雄花が花序を立てている。ユウガギクがかなり
見られるようになった。アキノウナギツカミも一部で群生をし始めた。
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これからの自生地を彩るユウガギク |
地下にも豆果をつけるヤブマメ |
第2自生地でこれから群生するノコンギク。冠毛が長いのが特徴だが、さいたま市の荒川左岸堤防では冠毛の短い菊の花しか見られない。
寒露(かんろ):アキノノゲシの一大群生には全く驚かされた。これ程の群生は初めてだ。昨年の台風19号の冠水の影響だろう。それにして
も倒伏地に集まったのは何か因果関係があるのだろうか。 2020年10月30日作成