二十四節気の小雪に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

来年の草焼きは1月13日(水)予定です

2020年11月22日(日)

2020年11月22日の小雪はコロナの第3波襲来で何となく落ち着かない。
朝は空気が冷たく感じたが次第に暖かくなり、風も無い絶好の小春日和で、一週間続きの暖かさだ。新聞では小春日和というより小夏日和 の方がピッタリくるともあった。
ノコンギク
第2次指定地ではノコンギクが花が終わりそろそろ長い冠毛も見られるようになった。
ノコンギク
ノコンギクの枯れ姿は何となくだらしがない。葉がよれよれで、花は枯れた舌状花をあまり落とさずにつけているように見える。第1次指定 地ではユウガギクの頭果はいつもより少ないように感じた。

いつもの定点観測地から俯瞰した自生地は白い穂波が陽に輝いていた。
自生地
中央観察路を入ってすぐ脇の地面に注意書きが貼られ、向かいに監視カメラが取り付けられていた。同じ場所に一度ならずの不法投棄のよ うだ。聞けばアチコチに不法投棄が増えているという。これもコロナ不況の産物のようだ。
監視カメラ
こんな所に監視カメラは一番不釣り合いなのは犯人も分かるだろうにと思う。

自生地はオギが葉を落としカラカラに乾燥した背丈の高い明るい枯れ野の世界だった。花はほとんど見られなくなり、所々に繁茂しているセンニンソウの緑の葉 が生命の息吹きを感じさせるだけだった。
今の季節キンミズヒキが先端にトゲを付けた萼筒をビッシリつけている姿が自生地全域で見られるが、鴨川側で萼筒の下の方に花のような ものが見られた。
キンミズヒキ
キンミズヒキ
初めての経験で何なのか興味深く色々調べてみたが花のようなもの自体がどこにも無かった。
花弁のような5枚は萼筒と痩果が抜け落ちた萼片の可能性が最も高い。でも萼筒は全て下向きなのに何故上向きなのか、それが不思議だ。
キンミズヒキ
上の写真ではこちら向きの花様なものと同じと思う。
写真の多い松江の花図鑑によると花の時期の萼片は緑色のようだが、果後の萼片の記述も写真も無い。とにかくもう少し観察してみよう。

今年はあまり見なかったコメナモミがオギの小穂にまとい付かれ、カナムグラにも巻き付かれてまさに満身創痍だった。
コメナモミ
シオデの液果かはこの頃には球形についているのは珍しい。APG分類ではサルトリイバラ科に移されて何となくしっくりこない。
シオデ

11月18日に埼玉県立図書館より「さらなる100年に向かって」を郷土資料として寄贈して欲しいとのTELがあった。非常に嬉しい事 で、すぐに手続きをした。でも県立図書館が熊谷に移ったのをその時初めて知った。高校時代までは結構通って、退職後久し振りに行った時にはかなり寂れた感じ さえしたのでやむを得なかったのだろう。浦和には文書館(さいたまけんりつもんじょかん)ができたようだが、古い時代の文書を保管している公文書館で、埼玉 県立熊谷図書館浦和分室も併設するという。

小雪(しょうせつ):立冬から約2週間後で自生地の風景は一変し枯れ姿になり、花はほとんど見られなかった。暖かい日が続いたが雨も殆ど なく、乾燥していた。観察路はやけに白っぽかったが昨年の台風19号の置き土産なのだろう。 2020年11月25日作成