二十四節気の大雪に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

草焼きの萱の刈り倒しが始まっていました

2020年12月7日(月)

朝は雲一つない真っ青な空が広がっていた。前日にははやぶさ2が小惑星の砂を持ち帰りに成功したとの明るいニュースも報じられていた。
風も無く穏やかな日和で大雪とは思いもつかない暖かさの桜草公園では、陽を受けて暖かな横堤でヒメアカタテハやモンキチョウなどが密 を求めて飛び回って、オニノゲシやオオジシバリの花も見られた。
ヒメアカタテハ モンキチョウ
秋になると多く見られヨモギなどを食草にするヒメアカタテハ 黄色のメスもいるがメスは白色が普通というモンキチョウ
全盛を誇ったB区とD区の公園側のアキノノゲシの群生はすっかり枯れ姿になり、茶褐色の世界に変わって冠毛を陽に輝せていた。
アキノノゲシ
フト気が付いて、中央観察路際のハンノキを見上げてみた。
ハンノキ
草焼きの影響だろうか、このところ存在感が薄くなっていた老木が、果実と多くの花序をつけていた。はじめはよく分からなかったがアチ コチよく見回してみると本当に多くの花序を吊り下げていて嬉しくなってしまった。

枯れ野の世界のサクラソウ自生地では1月13日の草焼きの萱の刈り倒しが今日から始まった。
2016年にどうしても立ち枯れた萱に燃え広がらず、翌17年から予め萱を刈る形に変更になった。サクラソウへの影響は無く、飛散灰はこ の方が少なく、ご近所の洗濯物への影響も少ないようだ。
埼大生
キンミズヒキ
萱の刈り倒しはかなりの重労働だが、開始以来埼大生のボランティアで行われている。ランチタイムの休憩時間。
上は全域で多く見られるヒッツキムシのキンミズヒキの萼筒ときれいに紅葉した葉。紅葉した葉や黄色の葉など色々見られる。

アキノノゲシ
中央観察路
葉を落とした萱の間から特別天然紀念物の石碑が見えるようになった。林立している茎(稈)は補完地のそれと比べて細く見える。洪水に よる肥沃な土壌がもたらせられなくなった一つの表れと思うのは私の思い過ごしだろうか?
枯れたアキノノゲシには色々なものが絡まっている。ヤブツルアズキの長い豆果はひときわ目立っていた。
ノコンギク
第2次指定地ではノコンギクが長い冠毛は丸い花にも、飛ばし終わった総苞片は開いた花弁にも見えて2度目のは花園だった。
ジシバリ
暖冬異変と言ってもいいのだろう。陽をいっぱいに受けた自生地北側の南斜面にはオオジシバリがチラホラ花を咲かせていた。 ニガナ属のオオジシバリの花の時期は普通は4〜5月だ。

12月21日のプラザウエストで行なわれる桜図書館15周年記念市民講座「田島ケ原サクラソウ自生地天然記念物指定100年」青木義脩講師の受付が始まっている。 申込みは電話でOKなので、まだの方は048-858-9090(桜図書館)に是非お電話をどうぞ。

大雪(たいせつ):自生地に行くのに今年初めて手袋をした。でも現地では手袋は邪魔で素手で全く寒くなかった。オオジシバリの花も意外 では無い暖かさの大雪だった。 2020年12月12日作成