二十四節気の芒種に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

絶滅危惧U類(VU)のノジトラノオが見られます

2021年6月5日(土)

中央観察路の入口付近からオカトラノオ属の白い花穂とシオデやノカラマツの蕾や花が歓迎してくれた。観察路の左右はもう背丈以上に オギが伸びて左右の見通しは効かなくなった。
ノジトラノオ
オカトラノオ属の花はアチコチで比較的固まっていて、ベニシジミが多く来ていた。今年はノジトラノオが多く見られて嬉しい。
ノジトラノオ
ノジトラノオは絶滅危惧U類(VU)のサクラソウ科オカトラノオ属の希少種。姿形は申し分ないが、現在の遺伝子をもとにしたAPG分類では どうなのかは興味のある所だ。

ドヨウオニグモとホソハリカメムシ
クマツヅラの花を撮ろうと群生に近づいたらなんとドヨウオニグモにホソハリカメムシらしきが捕らえられたところで、激しく動いて獲物 を弱らせぐるぐる巻きに捕らえる一部始終を観察できた。
ドヨウオニグモ
ドヨウオニグモはコガネグモ科の黄色い小型のクモ。平地では普通に見かけるクモで円網を張る。土用に多く見られるのが名の由来という。 農耕地に多く見られ、特に水田で多く見られる種で農業害虫の天敵でもある。ホソハリカメムシはイネ科の植物でよく見られ、水田のイネも食害する。
モンシロチョウの産卵
観察路ではトキワハゼ、イヌガラシ、ツメクサ、アメリカフウロなどが小さな花をつけていた。イヌガラシにはモンシロチョウが来ていた が、パソコンに移してみるとどうやら産卵していたようだ。
シオデ
シオデは雌雄異株で、右は雄花が見られる。
ノカラマツ
絶滅危惧U類(VU)のノカラマツは花弁や萼が早落性で、見られるのは雄しべの葯ばかりなので花と言う感じはしない。でも花粉を求めて 訪れるセイヨウミツバチは多く見られる。
レンリソウ
前回確認できなかったレンリソウの豆果を見つけるべく頑張ったが最初はどう探しても見つからなかった。仕方なしに帰り際に再度挑戦し てようやく発育不良の2豆果を発見した。やはり、クローン繁殖による弊害なのだろか。

芒種(ぼうしゅ):6月16日から20日は七十二候の「梅子黄」(うめのみきばむ)で梅の実が段々黄色く色づいてくる頃。梅干しの仕込みなどが 盛んに行なわれる。 2021年6月19日作成