二十四節気の夏至に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
今年はノジトラノオが特に多く目立ちます
2021年6月21日(月)
2021年6月21日の夏至は前日に引き続いて夏の様な暑い陽射しが降り注いだ。関東甲信の梅雨入りは6月14日で平年より7日遅いが東海以南
は早くから梅雨入りして大雨被害も報じられていた。そうした事もあり線状降水帯情報を気象庁が7日から提供開始したという。
自生地ではノジトラノオとノカラマツの2種の絶滅危惧U類(VU)の希少種に加えノカンゾウも全域で多く見られるようになった。
今年は特にノジトラノオが多い。トモエソウも一部で見られたがそろそろ果実の季節のようだ。ハンゲショウやコカモメヅル、ユウガギク
もチラホラ見られるようになった。
キンポウゲ科のノカラマツは地中の黄色い細長い走出枝で増える多年草。花弁は無い。普通4〜5枚の萼も早落性なので見られるのは稀だ。右の写真は4枚の萼片が見られるが、やっ
と探した貴重な写真だ。
右下は雄しべの葯が目立つ普通に見られるノカラマツの花。雄しべは多数で輪状に並び径は約6o、雌しべは少数で柱頭は無花柱(新牧野)
という。
さいたま市議会で6月15日に久保美樹議員が田島ヶ原サクラソウについての一般質問をされた。
ノジトラノオ(野路虎の尾)はサクラソウ科オカトラノ属の多年草。オカトラノオは乾いた丘陵地に生育するがノジトラノオは湿地を好む。
この花がサクラソウと同じ科とは思えないが、花は下部が筒状で上部の裂片は5枚が普通、雄しべも5枚で裂片に対生するのはサクラソウと
同じだ。
そして裂片の幅は比較的広いもの、狭いものがあり、ノジトラノオは狭い。サクラソウ自生地では中央観察路際のオカトラノオ属は裂片の
幅が広いものが多い。
トモエソウはそろそろ花の季節が終わり、果実の季節になっていた。今年はまだオトギリソウは見ていないような気がするが、これからだろうか。
彩湖の越水堤の工事が終わり、補完地の前の周回道路の通行止めが解けた。久し振りに補完地を見たが今年はサクラソウを見ることなく
ヨシ茂る補完地になってしまった。
夏至(げし):東京では日の出が4時26分、日の入りが19時00分で日照時間は14時間34分という。1894年(明治27年)6月23日クーベルタンが
世界平和を訴えてオリンピックを提唱、国際会議で満場一致で採択された。近代オリンピアート復興の日。 2021年6月29日作成