二十四節気の立秋に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

サクラソウにとってはまさに干天の慈雨です

2021年8月7日(土)

2021年8月7日立秋、家を出ようとして靴を履いてしまってから忘れ物に気付いた。戻るまでものの2〜3分とかからなかっ た間に景色が一変して大粒の雨が自転車を濡らしていた。これも台風10号の余波なのだろう。
高温障害のオギ
サクラソウ自生地はオギの高温障害がかなり進んで黄色い葉がますます多くなった。サクラソウは乾燥に弱いのでこの現 象は非常に心配だ。
スコールに打たれたオギ
左は自生地に着いた時のA区の枯れかかったオギ。
上は20分くらいのスコールに打たれてすっかりお辞儀をしてしま った石碑周辺のオギ。
フジバカマ
8月に入って毎日晴天続きで最高気温が高い日が続いた。
7日からの立秋はスコールの様な雨はあっても10日にはさいたま市の最高気温が39℃の予報が出されたりでとにかく暑い。 熱中症対策とコロナまん延対策が一緒になって、それこそ命を守る行動が叫ばれていた。
ところが12日頃から九州、中国方面を集中豪雨が襲い、線状降水帯が発生したとの事で大雨の被害情報が報道され始めた。 14日には広島、福岡、佐賀、長崎各県の約58万世帯128万人に最高の警戒レベル5「緊急安全確保」が発令された。
午後にかけて断続的に激しい雨が続き、8月雨量の3倍以上の記録的大雨との事でテレビはその報道一色だった。
右はおおきくのびだしたフジバカマ。スコールにも負けなかっただろうか
コロナは変異株が猛威を振るい、14日には全国感染者が2日連続で2万人を超えた。重症者は過去最高を記録した13日より 43人増えて1,521人になり、医療体制が危機的な状況に陥っていると専門家は危機感をあらわにしている。
日本列島は2つの大災害に見舞われそれこそ緊急事態だ。
二十四節気とは例えば立秋の場合は8月7日の一日を指す場合と次の節気(処暑)の前日までの約2週間を指す場合がある。

観察路では相変わらずユウガギク、シロバナサクラタデ、オトギリソウが見られる。全域で見られるのはこの時期が旬の コバギボウシ、B区の公園側ではフジバカマが花はまだほとんど見られないのに一面に芳香を漂わせていた。センニンソウは自生地内では見られ ず公園との境で花を咲かせていた。
コバギボウシ
ツルフジバカマ
キジカクシ科のコバギボウシは葉でサクラソウを覆い隠してしまうというので、自生地では間引きの対象のようだが、今 回一時ほどではないが全域で見られた。
ツルフジバカマも見られるようになった。クサフジに比べて小葉の質がやや厚く10〜16枚とやや少ない。押し葉にすると 赤褐色になるのが特徴。

公園側から南観察路に入ろうとしていた12時少し前、空模様が急激におかしくなった。
南観察路入口シ
ビニール傘を持ってきたので心配もせず中に入った。オトギリソウなどを見て大粒の雨の中を中央観察路に抜けようとし たらこれが大変だった。オギだけがかぶさっているのなら簡単だが蔓植物が絡んでいた。全身びしょぬれになって登山用の防水ズボンまでずぶ 濡れだった。
でもサクラソウにとってはまさに干天の慈雨だ。とにかくこの雨で生気を取り戻し、ヨシやオギに守られながら来年に備えて地下で力を蓄えて 欲しいと願うばかりだ。
アゼオトギリ イチモンジセセリ
アゼオトギリの葉は対生わずかに茎に接する スコールをどこでしのいだイチモンジセセリ

高温障害のオギ
2020オリンピックは8月8日取り敢えず17日間にわたる会期を終えた。
日本選手が多くのメダルを取り多くの感動を呼んで明るい話題を発信した大会だった。
しかしながらコロナの感染拡大が急速に進み大会期間中、8月2日には首都圏3県と大阪府に8月31日まで緊急事態宣 言が発令された。
オリンピックは表面上成功裡に終了したが、まさに戦い済んで厄災跋扈の状況だ。
パラりんピックは8月24日〜9月5日まで開催される。もう開催の是非は議論される事もなく無観客開催が決まったようだ。
ここまで来たら乾坤一擲菅首相の裁量でコロナ対策に協力してきた人たちを招待観戦させられないかトライしても悪くな いだろう。

立秋(りっしゅう):高温障害を心配していたら、今度は豪雨による被害の心配。本当に日本列島は温暖化の被害の真った だ中、ウィルス蔓延が大きく影を落としたオリンピックが終わり厄災のみが残った。 2021年8月18日作成