二十四節気の穀雨に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
ポリネーターによる正常な種子繁殖が行われています
2022年4月20日(水)
2022年4月20日の穀雨は朝には雨が止んだが、最高気温は14℃にしかならない寒い一日だった。
今年は第一次、第二次指定地、補完地の3か所全てで、サクラソウの花を吸蜜するハチを確認できた。いずれも口吻が長く
サクラソウのポリネーターの資格十分で、触角も長い。
とにかく今までは繁殖はクローンか同花受粉でしかないと思われてきたが、ポリネーターが確認できたのはさらなる100年
に向かって大いに希望が持てる一大朗報だ。
調べてみるとヒゲナガハナバチはシロスジとニッポンの2種があり、どうやら前者のシロスジヒゲナガハナバチのようだ。
昆虫の分類で膜翅目は現在ではハチ目と言う事が多いようだが、ハチ類とアリ類を含み、一対の大形の前翅と小形の後翅を
持つ。翅は、ともに透明、膜質、口器は主に咀嚼型。完全変態するとある。
そして種を同定するにもこの翅の模様が大きな役割をするようだ。よく似たシロスジとニッポンの区別は前翅の
肘室(亜縁室)がシロスジは2個、ニッポンは3個によるという。
上掲の左の写真には矢印で示した。右の写真はもう一つハッキリしないが、確認して欲しい。
補完地で初めて白花のサクラソウを見つけた。真ん中辺りにあり、ちょうどカメラを向けている時に蜂が来たようでラッキ
ーと思った。
でも拡大してみるとホソヒラタアブの様でとてもポリネーターにはなり得ずガッカリだった。
24日に補完地で見つけた健康的なサクラソウの刮ハ
第1次指定地ではスイバとオギやヨシが大きく伸びてスイバの赤い穂がかなりの面積を占めている。ノウルシは完全に果実の
季節になり、代わりにノカラマツが目立つようになった。トダスゲの雌花穂が目立つようになって、チョウジソウが花を咲かせ始めている。
いつものバス停近くから自生地を俯瞰するとスイバの赤い穂の地帯が帯のように見える。
サクラソウの花は雨滴で殆どがうつむき加減になり、かなり萼が目立って見えた。そしてもう種子が見られるのも多く、頼
もしいが、健全に育って次世代を生み出していってほしいと切に思う。
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雨滴には弱いサクラソウ |
雨滴など払い落とせばいいのに |
D区のシロバナサクラソウは今シーズン株数が増えて6〜7株になり、B区のも花開いていた。
ノウルシの刮ハはイボイボがあるのが特徴。同じトウダイグサ科のトウダイグサの刮ハは表面が滑らかだ。
アマドコロも全域で小さなツボ形の花を付けている。
キジカクシ科アマドコロ属の多年草で漢字表記は甘野老で、ごつごつした根にひげ根が多いさまを表現しているようだ。
食用や薬用にもされる。同属のナルコユリとよく似ているが、アマドコロは花柄の付け根がスムーズでナルコユリは緑色のぽっちが付く事と茎
が角ばる事と丸い違いがある。
今年も田島交差点には案内表示を貼らせてもらった。
遠方から電車できて西浦和からは徒歩20分はかかるので、やはり途中に何らかのに表示は必要だ。
20日に撤去する表示もしてあるので、この日に回収してきた。
穀雨(こくう):穀雨は春の最後の節気で春雨が百穀を潤すといい、植物を大きく育てる様。今日は最高気温が14℃くらいで
肌寒い感じだった。一時暖かくなりかけたがハチの活躍する気温にはならなかった。 2022年5月27日作成