二十四節気の小満に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

河川敷には洪水が必要なのかもしれません

2022年5月21日(土)

2022年5月21日の小満は10時過ぎには降り出したので、自生地の観察は翌22日にした。22日は青空が広がり、久し振りに気 温も上がった。
北観察路の公園側入り口付近のアカツメクサの群生にシロスジヒゲナガハナバチが来ていた。色々撮ってみたが満足できる のは少ない。
シロスジヒゲナガハナバチ
一度いなくなってもしばらくすると戻ってくるのが多いので少し落ち着いてシャッターを押せるようになった。
口吻拡大
上は口吻を拡大してみた。チョウの口器は管状で蜜を吸い込むが、ハナバチは唇鬚(しんしゅ)の間から舌を伸ばして舐め取 るようだ。上の写真は左の状態からさらに中舌を伸ばしている。

オギが背丈以上に大きく伸びて左右の見通しは効かなくなり、特別天然記念物石碑は頭だけ出ていた。あれだけ隆盛を誇っ たノウルシが早や赤く枯れ始めていた。
昭和水門を遠望
ハナムグラ
ハナムグラは絶滅危惧U類(VU)のアカネ科の多年草
中央観察路を入るとすぐにハナムグラの小さな白い花が多く見られた。一時かなり少なくなったが台風19号の冠水以来自生 地のアチコチに広がっている。トダスゲやチョウジソウ、4月にはサクラソウも多くの所で見られた。そして訪花昆虫が多くなったのも19号以来だ。 やはり河川敷には洪水は必要なのかも知れない。観察路にはイヌガラシも見られた。
トダスゲ サクラソウ刮ハ
果胞が大きくなり別名のアワスゲがよく似合うトダスゲ 大きくて健康的なサクラソウ刮ハ
イヌガラシ キツネアザミ
細長い弓状の果実がよく似たスカシタゴボウとの相違点のイヌガラシ 花がアザミに似るがよく見ると違うのが名の由来のキツネアザミ
今年も鴨川べりの通路や付近の自生地にはイチゴツナギが繁茂している。何の変哲もないイネ科の多年草だが風に揺れる様 は風情があり、何といってもネーミングがいい。良すぎて現物を見るとガッカリするほどだ。
イチゴツナギ
イチゴツナギ(苺繋、Poa sphondylodes Trin.)イネ科イチゴツナギ属(ナガハグサ属)に属する多 年草。道端、土手、河原などに生え、茎がざらつくので「ザラツキイチゴツナギ」の別名がある。草丈は30〜60cm、花期は5月〜7月で、花色は 淡緑色で地味な花らしくない花が円錐花序につく。
名前は昔子供が野いちごを摘んだときに、この草の茎に通して持ち運んだという事によるといい、 近縁種が多い。イチゴ ツナギ属には日本国内に帰化種を含んで25種以上があると言う。

小満(しょうまん):陽気が良くなって、万物の成長する気が次第に長じて天地に満ち始めることから小満といわれています。 と「日本の行事・暦」にはあるが、名前からは二十四節気の中で一番分かり難い節気だ。 2022年6月12日作成