二十四節気の立秋に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
朝の自生地でコカモメヅルとオギの雨滴に歓迎されました
2022年8月7日(日)
2022年8月7日の立秋の朝自転車のカバーを取ったらかなりの量の雨水がたまっていて昨晩降ったのを知った。空は
明るい曇空で雨の心配は無かった。
6時前についた自生地は雨滴をたっぷり含んだオギなどにで濡れるのは覚悟だったが、久し振りの早朝観察はコカ
モメヅルが小さな花をいっぱいに咲かせて歓迎してくれた(花は径3ミリと小さい)。
中央付近ではジャコウアゲハが飛び回っていた。止まりそうになってもすぐに飛び上がり一時もじっとしていない。
飛び回る範囲も広くてどうにもカメラに捉えられない。
コカモメヅルは以前はガガイモ科で大きさに違いはあっても同じような実を付けて、熟して割れると白い種髪を飛
ばす共通性があり覚えやすかったし親しみもあった。でも現在主流の遺伝子工学的な視点から分類するAPG体系ではキョウチクトウ科に含
められてしまった。
オトギリソウ科のトモエソウ、オトギリソウ、アゼオトギリも朝咲く花だ。トモエソウは花の盛りは過ぎていたが
大きいので存在感があり、周囲の葉には昨夜の雨滴が残ってしっとりした朝の雰囲気を醸していた。
ママコノシリヌグイはその名からも、鮮やかな花の色からも常に存在感がある。
でも花はほとんど開いていず、特徴的な茎や苞葉を一緒に撮れない事が多いので貴重だ。
ママコノシリヌグイ、ミゾソバ、イシミカワ、サデクサの托葉は上部が葉状に広がる特徴がある。
オトギリソウは弟切草、ママコノシリヌグイは継子の尻拭いと漢字表記するとあまりいい印象を持てないがそれぞ
れに由来があり、物語があって興味深い。
コバギボウシは一株しか見られなかった。オニユリは花が終わり珠芽の季節、鴨川べりにはキクイモが花を咲かせ
始めていた。中央付近にはシロバナサクラタデも多く見られる。センニンソウが一輪見られ、夕には閉じてしまうオトギリソウ、アゼオ
トギリも花開いてフジバカマはまだつぼみなのに芳香を漂わせていた。
ジャコウアゲハはアチコチで飛んでいるだけは見られたがシャッターチャンスはまったく無かった。悔しくて最後
に中央に戻ってやっとゲットできた。
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やっと止まってくれて夢中でシャッターを切りました |
飛び上がって少し遠くに止まりました |
とにかく止まってくれて夢中でシャッターを切っているとまた飛び上がりました。
でも今度は少し移動しただけで典型的なチョウのポーズを見せて止まりました。
でもジャコウアゲハならある筈の尾状突起がありません。
よく見ると後ろ翅はボロボロのようです。
産卵場所を探して飛び回り、途中で取れてしまったのかも知れません。心なしか疲れ切っているようにも見えます。
恐らく大役をし遂げてホッとして戻ってきたのでしょう。ご苦労様でした。
何枚か撮って、静かに自転車に戻りました。
コロナの第七波と猛暑日の連続の2022年の立秋、15日には北与野駅前の与野ハウス環境緑地に行った。
小さな流れと池もあり、大小の木々も植えられて敷地の割には緑陰が大きい小公園だった。
エゴノキに面白いエゴノネコアシという虫こぶがたくさん付いていた。2005年5月に初めて見た時はその形の面白さ
と形成主のネコノアシアブラムシの奇妙な行動が印象的だった。
左のエゴノネコアシは上の白緑色がまさにネコノアシの形の虫こぶ。下の茶色はもう宿主のアブラムシはとっくに
アシボソに移動した抜け殻?。
春に孵化した幼虫は腋芽に作られたエゴノネコアシの中に雌が1匹だけ入り、単為生殖を繰り返して雌だけの集団
で増えていくという。6〜7月頃有翅のアブラムシがエゴノネコノアシの先端から出てイネ科のアシボソの葉裏に移動する。ここで無性生
殖で無翅虫を増やして、10月頃生まれる有翅虫がエゴノキに戻り樹皮に産卵し、冬を越すという。
とにかく律儀と言えば律儀、エゴノキとアシボソの間を往復して何をしているのか不思議です。
アブラゼミやミンミンゼミの声が聞こえた。ミンミンゼミは意外に低い所で鳴いていた。
子供の頃は高い木の上で鳴いているミンミンゼミは憧れで、腹部が短く翅を含めてアブラゼミと同じ大きさの事、
水色や緑色のきれいな斑紋があることなど新鮮だった。羽化間もないニイニイゼミも見つけた。セミ科がヨコバイ亜目という事も知って
納得。
一面のユリの群生は見事だった。調べてみるとタカサゴユリは2014年に渡来して繁殖地を増やしテッポウユリとの
交雑種も多く見られるといい、要注意外来生物に準ずるとも言われる。反面、嫌地現象もあり、ある時フッとなくなる事もあるという。
テッポウユリ:50cm-1m 程度に生長し、楕円形で長い葉をつけ、葉脈は水平方向に入る。一般
にタカサゴユリよりも小型であり、葉が太めで、花が白く筋などが入らない点で区別する。
タカサゴユリ:台湾原産の帰化植物で日本へは1924年に渡来。荒地に生育し、花の外側が赤褐色を帯び
ている。日本産のユリが1つの実につき50〜300個の種がつくのに比べ,タカサゴユリは実に1000〜1500個もの種をつけるという。1つ1つ
の種子は軽く,風にのって散布される。果実は長さ5〜7cmで長楕円形の刮ハ。
5月29日に昼寝から目覚めると突如右手が効かなくなった。色々検査をしても原因が分からず1か月後にさいたま赤
十字病院を紹介された。
原因は不明で効く薬は無い。自然に治癒する。と明快だった。
1ヶ月半経ってどうやら日常生活に不自由ないところまで回復した(8月15日)。
立秋(りっしゅう):毎度書いているが、二十四節気にはその日一日と次の節気の前日までの14日間を言う場合がある。
連日の猛暑は日数も最高気温も最高のようだ。 2022年8月20日作成