二十四節気の小暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

小暑の自生地はノカンゾウが全域で、一部でゴマノハグサも

2023年7月7日(金)

2023年7月7日の小暑は朝からテレビが熱中症対策を十分するよう繰り返していた。
10時47分に着いた自生地はまさに夏の装いだった。背丈よりはるかに高いオギを分け入った中央観察路では懐かしいウマノスズクサの花が見られた。
ウマノスズクサ
ジャコウアゲハの食草として知られるこのつる植物だが、食欲旺盛な幼虫は茎まで食べてしまい、しばしば枯らしてしまう。
葉を裏返してみるとなんと5個も卵がついていた。
ジャコウアゲハの卵

でも、今日の主役はツルボラン科のノカンゾウ。ベニカンゾウも見られ、全域で多く見られた。
ノカンゾウ
ノカンゾウがAPG分類でツルボラン科に移って日が経つがナカナカなじめない。最大の原因はツルボランの花を知らないことと気づいて画像生成AIでツルボランの花を作ってみた。
ツルボラン
ネットで見られるツルボランの花は花弁が白色で茶の縦筋が入るようだがどうなのだろう。

ガガイモ
少し行くとガガイモの葉が見え花も一輪ついていた。ヘクソカズラも見られる。ヒルガオの花もあった。ゴマノハグサも長い花序を空に向かって突き出し今にも花を開きそうだった。
シオデは雌雄の花とも見られた。バアソブの蕾は見られたが、花はやっと一輪だけだった。所によってはニガクサも見られ、未だ咲きはじめなのでらしくない上品な感じだった。
ゴマノハグサ バアソブ ニガクサ
ゴマノハグサ バアソブ ニガクサ
とにかく小暑の陽射しにしては強く、中央のクヌギの下の木影に行くのにも大変だった。カメラをタオルで覆って直接太陽光に曝さないようにしないとオーバーヒートしてしまいそうだった。

鴨川寄りのブッシュでクロバネツリアブが2匹で絡み合っていた。そのうち一匹が葉に止まったままになりその前をもう一匹が左右に飛んでデモンストレーションを始めた。オスのディスプレイ飛行で間もなく交尾かと動画に切り替えて興味深く観察していた。
クロバネツリアブ
クロバネツリアブ
2〜3分経っても全く変わらず、オスも疲れたのか葉に止まってしまったので、あえなく観察を終了した。

ディスプレイフライトとは 誇示飛翔。 繁殖期になわばり宣言や求愛のために行う特殊な飛翔。 大きな波形をえがいたり、急降下をしたりする。 鳴き声や翼や尾の音を伴うことが多い。
クロバネツリアブの発生時期は7〜9月。体長11〜19mm。花の蜜などが主食。腹部は黒く、第三節は白い毛で覆われて帯のように見える。体が大きく尾端の白帯が二つに分かれている方がメス(左の写真の右)で、小さくて白帯がつながっているのがオス(左)という。学名Ligyra tantalus、和名の由来は黒い羽を持ち、ホバリングしながら空中に静止している様子が、吊下げられたように見えることから。

小暑(しょうしょ): ムクゲの花が終わりフヨウの花が見られるがこの両者はアオイ科フヨウ属に属する木本だ。芙蓉属の英名がHibiscus属で、日本語「ハイビスカス」はより狭い他の意味で用いられることが多いので複雑だ。 2023年7月22日作成