サクラソウ自生地を訪れる方の必見情報
自生地のすべての植物が国指定特別天然記念物です
文化財保護法第109条第2項は天然記念物のうち特に重要なものを特別天然記念物に指定しています。
特別天然紀念物は2019年現在全国で75件だけが指定され、その内植物は30件のみです。阿寒湖のマリモはマリモ
だけが指定対象ですが、サクラソウ自生地はサクラソウのみではなく田島ヶ原サクラソウ自生地全体が地番で指定されています。
そのため生育環境を含めそこに生育する植物全体が指定対象です。
このため、サクラソウだけを特に優先的に保護する事ができず、同時期に盛りを迎えるノウルシを一方的に
駆除はできません。
一面のサクラソウを期待して来園された方には期待はずれになりますが、ノウルシも環境省のレッド
リストの準絶滅危惧(NT)で、ヒキノカサ、エキサイゼリ、アマナ、シロバナタンポポ、カントウタンポポ、ノカラマツなどの貴重な
在来種の宝庫です。。
人工的に植栽した芝桜なども素晴らしいですが、人工的な華やかさが無い事は事前にご留意下さい。
サクラソウの見ごろ
例年4月中旬、特に10日前後が見ごろです。
もちろんその年によって早い遅いはあります。でも桜のような大きな変動はありません。株により早く咲くもの
遅いものがあり、一つのサクラソウの花は普通10日間くらい咲き続けます。
でも、先にも書いたように自生地にはノウルシを始め色々な植物が生育しています。それらはサクラソウの草丈
より遥かに大きくなり、しかも成長が早いのでサクラソウを隠してしまいます。
サクラソウ自生地の見頃はサクラソウの花そのものでは無く周りの環境なのです。他の植物の生育具合、ノウルシ
やスイバ、ヨシそしてオギなどは春の深まりとともに成長を速めます。そしてデリケートなサクラソウにとっては早春の遅霜、半ばの春
の嵐も大敵です。
最新の田島ケ原サクラソウ自生地の開花情報は
田島ケ原サクラソウ自生地を守る会、または
自生地の立地条件
田島ケ原サクラソウ自生地は荒川第一調節池の真ん中辺りに位置し、周囲を囲暁堤や横堤などの堤防に囲まれました。
洪水が少なくなるための乾燥化が問題にされましたが、調節池の本来の遊水機能についてはあまり懸念されなかったようです。2019年の台風
19号により11メートルの水底に沈んだ事から、初めて冠水による影響が心配されましたがまだ検証は十分ではありません。
周囲の桜草公園は自生地への不法投棄を防止するために企画されたようです。1963年頃から工事が始まり完成開設は1984
年12月15日と工事に21年の長い歳月を費やしました。
この間、真ん中に位置するサクラソウ自生地との連携がなされたのかは不明ですが、蛇行して入っていた旧荒川流路の埋設
に大きな時間を費やしただろう事は推測に難くありません。
15.96haの桜草公園には多くの桜の木があり、サクラソウと桜の両方の花をお楽しみ頂ける時期があります。天候が良け
れば芝生広場でお弁当を広げたりゆっくりくつろいだりもして頂けます。
桜草公園には売店は有りません。飲物の自販機は1ヶ所のみです。
灰皿もゴミ箱もありません。ゴミは必ずお持ち帰りください。
2020年6月12日改訂