二十四節気の小暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

ソクズが白い花と黄色の小さな蜜つぼをつけています

2010年7月7日(水)

観察路
文化財保護科の臨時職員の人達が堤防のセイタカアワダチソウの根こそぎの除草に懸命だった。聞けば 自生地内に入らせない水際作戦のようだ。
珍しく1週間以上サクラソウ自生地に来ない間にオギやヨシが観察路を挟んでかなり伸び出して先が見通 せないくらいだった。
渡良瀬遊水地の観察会でお聞きしてきたノジトラノオの特徴がノジトラノオらしきにあるかを確認したかったが、残念ながら 殆どが終わりで、その特徴の一つという先端の線状の苞葉までハッキリ撮れそうな株は無かった。
一方ヌマトラノオもどきの花穂は先があまり下垂していない。 4日の自然教育園のイヌヌマトラノオとよく似ている感じだった

クヌギに集まるスズメバチ
去年は8月23日の処暑の日にスズメバチの巣を見つけたが、今日は駐車場側からの観察路をつき当って少 し左手のE区のクヌギの幹にスズメバチが集まっていた。よく見るとえぐれたような部分がありそこに甲虫も来ている。
クヌギはえぐれたような所から毎年一定時期に樹液を出すので、それを吸いに甲虫類や、スズメバチも 集まるようだ。そしてスズメバチは仲間が多く集まるようになると自分たちの巣と同じように防衛行動の対象とするらしいの で近寄るのは極めて危険だ。
右のえぐれている所から樹液を出しているのでしょうか?カナブンが3匹見えますが、カブトムシはい ないようです

ソクズ
スイカズラ科のソクズが白い花を咲かせていた。落葉低木のニワトコトと奇数羽状複葉の小葉や小さな 白花が散房花序に集まって咲くのがよく似ているので別名クサニワトコとも言われる。
でも他に先駆けて面白い混芽を付けるニワトコは4月には花をつけるがソクズは夏で今が満開の時期だ。 そしてソクズの花序には黄色の腺体があり上面が平らなのもハッキリ分かる違いだ。各花には蜜は無くツボ型の腺体が蜜を分 泌しそれを訪れる昆虫によって集団的に受粉がおこなわれる面白い仕組みを持つと言う。
ニワトコ
名の由来は漢名の字音が転化したものと言われるが、クサニワトコの古名クサタズの草を音読みしたソウタズが転訛したと云 う方が自然のような気がする。
上の写真はソクズ。円内は花序をアップしたもので黄色のツボ状の腺体も見える。
右のニワトコの 散房花序は上は平らでは無く円錐形に近い。(10年4月11日自生地鴨川沿いにて)

観察路の縁側では所々でユウガギクが白い花を咲かせ始め、 ヤブジラミは全域で白い花や名の由来の何にでもよく付く実をつけ始めている。 ヒルガオノカンゾウは今の季節の花の主役で大きな花 を競って咲かせているが、ここのノカンゾウは橙色の赤みが強い花と黄色みが強い2種類がある。 ママコノシリヌグイは鮮やかなピンクの花を膨 らませ、ゴマノハグサの蕾がほころび始めた。ゴマノハグサは絶滅危惧種のネット検索では出てこないが絶滅危惧U類に追加 ノミネートされている希少種だ。そして鴨川沿いではゴマギが紅い実をいっぱいに付けていた。
ユウガギク ノカンゾウ ゴマノハグサ
ユウガギク ノカンゾウ ゴマノハグサ
ハンゲショウ ママコノシリヌグイ ゴマギ
ハンゲショウ ママコノシリヌグイ ゴマギ

小暑(しょうしょ):7月7日頃。本格的な夏を迎える時期と言うが、夏の暑さと言うより梅雨の最中で湿度の 高い蒸し暑い日が多い時期だ。この日から立秋(8月7日頃)の前日までがいわゆる暑中で暑中見舞いを出す期間という。