二十四節気の夏至に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

夏至の日の出は4時26分、日の入りは19時2分でした

2023年6月21日(水)

2023年のさいたま市の夏至の日の出は4時26分、日の入りは19時2分だった。風はほとんど無かったが雲が多い空模様だった。
自生地ではヨシやオギが生い茂り観察路からの見通しは全く効かなくなった。11時頃の自生地は鳥の声も全く聞こえず静寂の世界だった。
自生地
大きなヨシは3mを越え、オギも2mくらいには育って見上げる空が小さくなってしまった

2023年のサクラソウの株数が発表になった。残念ながら今年は55万株と、過去2年連続の増加傾向から減少してしまった。関係者の熱意に拘わらず残念な結果だが、訪花昆虫も多くなり、特に補完地のサクラソウは見事でした。めげずに頑張りましょう。
詳細はサクラソウ自生地の現況と問題点をご覧ください。

オギやヨシが生い茂ったサクラソウ自生地はその間隙を縫ってノカラマツ、ノカンゾウ、クサフジ、オカトラノオ属、ハンゲショウ、シオデなどが花を咲かせ、トモエソウは花の盛りは過ぎてオニユリ、バアソブは出番を待ちかねている。将に在来種の宝庫「未来に残したい草原の里」の面目躍如だ。

カバキコマチグモの巣
イネ科の植物の葉を折り畳んで作るカバキコマチグモの巣が4つあった(丸数字で表示)。
カバキコマチグモ(樺黄小町蜘蛛)は、フクログモ科コマチグモ属に属するクモで、カバキは体色が黄色いことから、体長1.5cm弱の毒グモ。在来種中で最も毒が強い。夏に雌は巣の中で100前後の卵を産み、孵化するまで巣の中で卵を守る。卵は10日ほどで孵化する。
生まれた子グモは、1回目の脱皮がすむと一斉に生きている母グモにとりついて体液を吸い取ってしまう。母グモは子グモに対しては抵抗しない。
30分程度で絶命するというが究極の子育てなのだろうか。
ノカンゾウ
ノカンゾウの花も多く見られるようになったが、このところほとんどだったベニカンゾウより普通の花が多くなった。
でもそんな事よりこの花の場合は分類がどうもしっくりこない。今までのエングラーやクロンキスト体系のユリ科が一番ふさわしいような気がして仕方ない。
APG分類では最初にユリ科から分割されてススキノキ科になった。そしてAPGW(2016年)でススキノキ科(Xanthorrhoeaceae)からツルボラン科 (Asphodelaceae) に変更された。というが素人にはどうしても馴染めない気持ちだ。
ハンゲショウ トモエソウ
半夏生、半化粧とも。時期と姿 トモエソウも一日花だ
シオデ ノジトラノオ
シオデの雄花が多くみられる ノジトラノオのように見事な花穂

何やらアブラシキが飛んできた。急いでファインダーを向けるとなんと番っているようだ。あまり動かくなったので色々撮ってみた。パソコンに移してみると何やらおかしい。よく見るとアブが獲物を捕らえたらしい。
マガリケムシヒキ
そしてアブも普通に居る種類のようだがマガリケムシヒキ(曲毛)という複眼の後ろの毛が前に曲がっているのが名の由来という。敏捷で空中で飛んでいるハエさえも捕まえるというのだからビックリだった。
ノジトラ花弁
オカトラノオ属の白い大きな花穂は色々な形の交雑種がありそれだけで面白いが、花穂を構成している一つ一つの花びらの形を見てみると興味深い。
イヌヌマ花弁
サクラソウ科の花なので5枚の花びらは根元では花筒になり先端が裂けているだけだが、ようく見るとこの裂片に2種類ある。丸形と細形があるので観察してみると面白い。

前号にも書いたが田島ヶ原サクラソウ自生が
「未来に残したい草原の里100選」に選出された。埼玉県では唯一のノミネートという。
現在荒川河川敷特にさいたま市の左岸は外来種天国で在来種はどんどん追いやられている。
そんな中で田島ヶ原サクラソウ自生地は貴重な在来種の宝庫だ。
在来種の宝庫、いわゆる草原の里だ
この機会にサクラソウの時期だけではない自生地の良さを見直し、地元の人たちに愛される自生地であるよう皆で後押ししようではありませんか。

夏至(げし): 夏至の初候は「乃東枯」(なつかれくさかるる)で読みも意味も難しい。意味は冬至の頃に芽を出した ウツボグサが枯れていく頃という。夏至は24節気の10番目です。2023年6月28日作成